こんにちは!舛本(ますもと)です。
唐突ですが、あなたは「PV EVPO」をご存知ですか?今回で12回目を迎える、不定期で開催される太陽光発電の展示会のことです。
国内のメーカーのみならず、中国・韓国・台湾・インドにヨーロッパのメーカーも来ているので、太陽光発電の世界的な市場状況を目の当たりにすることができます。
私も今回初めて参加させていただきました。
そこで今日は、今最も注目されている蓄電池が目指す電力事情についてみていきたいと思います。
◇ 蓄電池メーカーが目指しているもの
大手国内メーカーや海外のメーカーが提案する蓄電池のプレゼンテーションをいくつか聞きました。
メーカーごとの特色はそれぞれあったのですが、すべてのメーカーに共通していることがありました。
それは『電気の自給自足』を目標にしている点です。
電気の自給自足というのは、電力会社から電気を買わないことを言います。
あなたは実際、今の段階で電気の自給自足ができると思いますか?
私は現在販売されている蓄電池では、厳しいと考えています。メーカーとしても自給自足を“目指している”段階なので、現時点では達成できていないそうです。
次の項目で、今後どのような電気の使い方になっていくのか説明していきたいと思います。
◇ 売電から自家消費へ
太陽光の電気買取制度であるFIT法。
10kw未満の太陽光発電は買取期間を10年と定められているため、2009年から売電を始めている方は2019年中に売電契約が終了します。
売電が終了することを「卒FIT」と言うのですが、卒FIT後、電力会社と再契約することで、売電を再開することができます。
しかし、当時1kwあたり48円で売れていたものが、再契約後6~8円(所説あり)になると言われています。
6円になった場合は、単純に売電収入が8分の1になるため、家計への影響大です。
そこで、これからの太陽光発電は“いかに電気を買わずに済むか”つまり、“いかに家庭内で電気を消費するか”ということが求められます。
現在、電力会社から買電すると平均で1kwあたり約25円かかります。
しかし買電をせず、自家発電した電気を使うことによって、1kwあたり約25円の経済メリットが発生することになり、家計の支えになってくれるでしょう。
卒FITによって下がった売電収入をどうにかするのではなく、発電した電気を家庭内で使い切ることが重要になります。
そのため蓄電池がもたらす経済メリットは大きいです。
なぜならば昼間に蓄電し、夜間に放電することで夜間の買電量を抑えることが可能になるからです。
また、電気料金の安い時間帯に買電した電気を蓄電し、電気料金の高い時間帯に放電することも可能です。
蓄電池を導入することによって経済メリットがあるのは間違いありません。
◇ 購入となると・・・
蓄電池を導入することで、経済メリットは間違いなくあります。
自治体や国の補助金も予定されているので、購入費用の足しにすることができます。
しかし、とても高価なのが経済メリットを上回るデメリットなのです。
金額はメーカーによって若干の差はありますが、設置費用を含めると太陽光1機分と変わりません。
多くの太陽光発電は10年間の売電によって、購入費用を上回る売電収入が得られます。
しかし、蓄電池もそうなるとは言い切れません。購入費用を回収できたとしても20年~30年の長いスパンでみることが必要です。
私個人の意見としては、安くなるまで蓄電池の購入は様子見、がいいと思います。
◇ まとめ
いかがでしたか?
蓄電池の導入メリットは間違いないのですが、未だに高価なのも事実です。
蓄電池メーカーの理想は「電力の自給自足」ですが、金額に見合った性能ではありません。蓄電池を買わずに買電するほうが安く済みます。
しかし、先ほどもお話ししましたが来年度から国の補助金も導入されますし、徐々にあなたが蓄電池を購入しやすい状況になってきています。
開発技術が進み、安定した生産が可能になれば蓄電池の費用はもっと安くなります。
今後、IT技術を駆使した住宅がどんどん普及していきます。蓄電池とIT技術を組み合わせた効果はとても魅力的です。
もし今、蓄電池の導入に興味があれば、面倒くさがらず多くのメーカーの資料を取り寄せ、見積を頼んでみましょう。
住宅の展示場でも蓄電池の話は聞けますし、資料をもらえたりするので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。
家づくりサポーター 舛本