こんにちは!家づくりサポーターの永江です。
イキナリですが質問です。日本の家の『寿命』をご存知ですか?住宅先進国と言われるドイツやイギリスの家の『寿命』は?
日本の家の寿命は実は約30年。かたやドイツやイギリスの家は約80年。3倍近い差があるんです。
その差を生んでいる原因は一体なんなのか?今回はそんなお話しです。
住宅の寿命を縮める天敵って?
日本の家の寿命を縮める天敵はズバリ「壁内結露」。
結露って窓ガラスとかに付くイメージありますよね?でもこの壁内結露は、目に見えない場所、壁の中にできる結露なんです。
結露はそもそも冷たい空気と暖かい空気が触れることで、暖かい空気の中に含まれる水分が水滴になって現れるもの。家の中と外で温度差があるため、壁の中でも同じ現象が起こってしまうんですね。
ではこの壁内結露が起こると、住宅に一体どんな影響があるんでしょうか?
☑断熱性能が下がる
日本の住宅の90%ほどで使用されている「グラスウール」という断熱材。これはガラス繊維を綿状に加工した断熱材です。
こういった断熱材を使用していると、壁内結露によって断熱材が結露の水分を含んで濡れてしまいます。濡れて重くなったグラスウールは年月を経るごとに段々とズレてきて隙間が生じていきます。こうして十分な断熱性能を発揮できなくなってしまうんですね。
さらに新しくできた隙間から、新たな結露が発生してしまい、断熱性能がさらに低下していく。こういう悪循環に陥ってしまうんです。
☑木材や鉄骨の腐食
壁内結露が生じてくると、もちろん家の構造材(木材や鉄骨)にも影響を及ぼします。
木材を水分を含んだまま壁の中で放置しておくとどうなるでしょうか?鉄骨が濡れたままだとどうなるでしょう?木材は腐ってしまいますし、鉄は錆びてしまいますよね?
家の根幹をなす構造材にも壁内結露は悪影響なんです。
☑カビの発生
さきほど挙げたグラスウールのような結露の水分を含んでしまう断熱材。この断熱材をそのまま放置しておくとどうなるでしょう。
もちろん先ほども書いたように、重みでズレていくのはもちろんのこと、もう1つ問題点が発生してしまうんです。
それは『カビ』の発生です。濡れた雑巾を日陰に放置しておくとカビが発生するのと同じ原理ですよね。壁の中で発生したカビがコンセント穴などから室内に侵入し、家族の健康被害の原因になることもあるんです。
☑ドイツやイギリスの家は結露対策が万全。
住宅先進国と言われるドイツやイギリスは、こういった結露対策が万全にできています。それが最初に書いた住宅の寿命の差を生んでいるんですね。
まだまだ住宅業界全体の取り組みが不十分な日本では、自分の家の寿命を延ばすには結露対策が十分なメーカーを自分で選ばなければいけません。
でもそんなのなかなか難しいですよね?
まず簡単にできるポイントとしては、先ほどから書いているグラスウールを使用しないこと。個人的にはこれは最低条件なのかなと思ってます。その他、各社ごとに様々な取り組みがなされているので、詳しいことは営業さんに聞いてみましょう。
あなたの家が長持ちする家になりますように。それでは、また。
家づくりサポーター 永江弘輝