こんにちは!平尾です。
“団体信用生命保険”ってご存知ですか?
マイホームを購入する際、住宅ローンを借り入れる方がほとんどではないでしょうか。住宅ローンを契約時にローンの支払いを保証するために加入が義務付けられることが多いのが、団体信用生命保険なんです。
団体信用生命保険は住宅ローンの契約者が返済の途中で死亡または高度障害になった場合に本人に代わって生命保険会社が住宅ローンの残債務を支払うというもの。ここでいう高度障害とは両眼の視力を完全に失った状態や中枢神経系または精神、胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護が必要な状態などです。
ローン契約者に万一のことがあっても、残された家族が住宅ローンの返済に困らないようにするための生命保険です。団体信用生命保険は略して“団信”と呼ばれることもあります。
団信は金融機関が、ローンの利用者をまとめて生命保険会社に申し込むものなので、掛け金も安く、加入時年齢による保険料の違いもありません。
まずは団信にどんな種類があるのか見ていきましょう。
団体信用生命保険の種類
団信の中でも代表的なものをご紹介します。
・通常の団体信用生命保険
ローン契約者が死亡または高度障害状態になった時に、住宅ローンの残債務が完済される仕組みです。基本的に民間の金融機関の団信は保険料が無料ですので、通常の団信では保険料として金利が上乗せされることはありません。
・三大疾病特約付団体信用生命保険
こちらは、通常の団信の保障内容に加えて、“三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で所定の状態”になった時にも残債務が完済される仕組みになっています。所定の状態とは、がんの場合、悪性新生物に罹患したと診断された時。脳卒中と急性心筋梗塞の場合、60日以上の労働制限が必要となった場合と言われています。なかには、90日間という免責期間を設け、その期間はローン分をローン契約者で負担し、それ以上症状が続いた場合、残債務を完済するという2段階の保障になっているものもあります。既定の日数は保険会社によって取り扱いが異なる場合がありますが、概ね共通のようです。
・八大疾病特約付団体信用生命保険
通常の団信に加えて、“八大疾病で所定の状態”になった場合にも、残債務が完済される仕組みになっています。“八大疾病”とは三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)+糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病を指しています。
それぞれの費用に関しては、通常の団信は保険料が無料になりますが、三大疾病特約付団信は金利の上乗せとして年0.25%程度のものが多いようです。また、八大疾病特約付団信は金利の上乗せは年0.3%程度のようです。金融機関によって金利の上乗せも異なりますので、加入前にしっかりチェックしてください。
団体信用生命保険で注意すべき3つのポイント
団体信用生命保険には、注意しなければならないポイントがありますので、そのポイントを3つご紹介します。
①健康状態が悪いと加入できない
団体信用生命保険は他の生命保険同様に、契約する際に健康告知が必要です。最近3ヵ月以内に医師の治療・投薬を受けたことがあるか?などの自己申告になっています。通常の生命保険よりも告知項目が少なく、比較的に加入しやすいです。しかし、過去3年以内に脳卒中やぜんそく、糖尿病などの病気で手術や2週間以上にわたり治療・投薬を受けていると加入できないケースがあります
住宅ローンの借り入れ条件に団信への加入が必須であれば、健康状態を理由に住宅ローンの審査が通らないという状況になってしまいます。
その問題を解決するために、住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」があります。これは、団信への加入は任意となっています。しかし、万一のことを考えると団信に加入していないのは不安ですよね。その場合は、団信以外の民間の生命保険を活用して万一に備えましょう。
②カバーできないリスクも
ご紹介した通り、団信で保険金が支払われるのは死亡や高度障害になった場合です。特約を付けた場合でも三大疾病や八大疾病で所定の状態に該当した場合になります。
しかし、住宅ローンを支払えなくなってしまうケースは他にもあります。それは、三大疾病や八大疾病に該当しない病気やケガで長期間働けなくなってしまった場合。
一部の団信ではすべての病気に対応した内容のものもあります。しかし、ほとんどの団信の保障内容は病気やケガにより長期間働けない状態での保険金の支払いはありません。
働けない期間によっては、会社で有給休暇や傷病手当金といった対応が取れるかもしれませんし、貯金を切り崩すという方法も考えられます。しかし、長期間の休業で収入が大幅に減ってしまった状態での、住宅ローンの返済は家計を苦しめてしまう可能性が高いのではないでしょうか。
このようなケースに備えた保険が就業不能保険。病気やケガで働けない状況に陥った場合に、毎月給料のような形で保険金を受け取れる保険です。団信でカバーできない部分の補完という意味で、検討してみると良いですね。この保険は住宅ローンとは関係なく契約できます。また、保険料も性別・年齢・給付金額・保険期間などによって変わります。疾病保障付の団信のように「住宅ローンの金利に何%上乗せ」という計算方法ではありませんので、ご自身のケースに合わせて検討しましょう。
③すでに加入している生命保険との保障の重複
団体信用生命保険は生命保険の一種です。なので、すでに民間の生命保険に加入している場合、その保険と保障内容が重複している可能性があります。
民間の生命保険に加入する際に、被保険者が死亡した場合の住居費も含めた保険金を設定したのであれば、団体信用生命保険の保障内容と重複してしまい、無駄な保険料を払ってしまっている可能性があります。
団体信用生命保険に加入した時点で、一度すでに加入している生命保険の内容を見直すことをおすすめします。保険料の節約につながるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
団体信用生命保険と一言で言っても、種類は様々あります。未来のことは誰も予測は出来ませんので、正解の選択というものはありません。
保険料も種類によって、金利の上乗せ率が変わってきます。毎月の住宅ローンの返済を圧迫してしまわない程度の保障内容のものを検討するのが望ましいです。
団体信用生命保険は夢のマイホームを手に入れるためには欠かせない万一の備えです。すでに加入している生命保険の見直しも含めて、ご家族でしっかりと話し合った上で内容を決めていきましょう。
家づくりサポーター 平尾