こんにちは。丸本です。
家を建てようと思って住宅会社の担当者と打合せを進めていくと、「住宅ローンの事前審査を申し込みませんか?」と言われることがあります。
しかし大抵の場合、事前審査を進められるのは「まだ建てる家の総額も土地も決まっていない状態」です。そんな状態で事前審査を申し込んでも良いのでしょうか?
そこで本日は、住宅ローンの事前審査を申し込んでおくメリットとデメリット、事前審査を申し込み最適なタイミングをご紹介します。
こんな↓↓お悩みをお持ちであれば、ぜひご一読ください。
○住宅ローンについてほとんど何も知らない。業者(住宅会社)の言われるまま進めてで大丈夫?
○住宅会社の人に「事前審査しておきましょう」って言われたけど、申し込んで大丈夫?
○事前審査の最適なタイミングっていつ?
そもそも住宅ローンの「事前審査」って何?
住宅ローンの事前審査とは、正式に住宅ローンを申し込む前に、金融機関があなたの返済能力に問題がないかをチェックするために行われます。
具体的には、申し込んだ人の収入額や財産と比較して、希望する借入額が無理のない範囲か、しっかりと返済を続けられるのか等々、当人の返済能力を対象にした審査がメインになります。 他にも、返済中のローン(自動車ローンやカードローン等)がないかといった部分も確認されます。
<一緒に読みたい記事> 審査基準は年収や勤務先だけじゃない!?住宅ローン審査に落ちないためにやるべき3つのこと
金融機関にもよりますが、事前審査が通過すればその後に行われる本審査が落ちることはほとんどありません。つまり、金融機関から「あなたになら住宅ローンを貸し出せますよ」という内諾をもらうようなイメージになります。この事前審査が通ると、本審査の案内をされます。
また、通常1週間以内には結果が分かるのであまり時間も掛かりません。
事前審査を通しておくメリット・デメリット
○事前審査を通しておくメリット
まず事前審査を通しておくメリットについて解説します。
①時間の節約になる
家を建てようと住宅会社の担当者と打合せを進めて、時間を掛けて間取りや内装、外装等のプランを決めて、建てる土地も大体決めた後に、住宅ローンの審査が通らないとなってしまっては時間も労力も無駄になってしまいます。
そのため、住宅会社の担当と具体的な打合せを始める前に事前審査と通しておいたほうが、安心して打合せを進められます。なので、住宅会社の担当者からはまだ具体的なプランが決まっていない状態でも事前審査の申し込みを進められる場合があります。
ほとんどの場合、事前審査における面倒な手続き等をその担当者が代行してくれます。事前審査の目的ははあくまで住宅ローンを借りられるかどうかを確認するだけです。事前審査が通ったからといって必ずしもその住宅会社で建てる必要はないので、やっておいたほうがメリットは大きいです。
②住宅ローンの最大借入額が分かるので、予算の目安としやすい
例えば、あなたの希望通りの家を建てるとしたら、建物+土地+諸費用合わせて3500万円の予算が必要だったとします。しかし、住宅ローンの審査をしてみたら「3000万円しか借りれなかった」となると、その500万円を削るか、何か別の方法で500万円を捻出しなければならなくなります。
逆に、最初に事前審査をしておいて、自分が借りられる住宅ローンの最大金額を把握しておけば、その予算に収まるように打合せを進められます。
住宅ローンは、例えば借入希望額を3500万円で申し込んだからといって、必ずしも3500万円借りなければならないわけではありません。後で借入金額を減額することができます。
③土地購入がしやすくなる
「住宅ローンの事前審査が通っている」ということは、「土地を買う準備ができている」ということになります。
もしあなたが土地の売主だったとしたら、事前審査を通してお金を払う準備ができているAさんと、まだ住宅ローンが通るかどうかも分からない状態のBさんのどちらに土地を売りたいと思うでしょうか。
また土地を探してくれる住宅会社の担当も、基本的には事前審査が通っている人の土地探しを優先します。住宅会社の担当にとっても、そのほうが見込みが高いからです。そのため事前審査が通っている人のほうが良い土地情報が集まりやすくなります。
○事前審査を通しておくデメリット
次に、事前審査を通しておくデメリットを解説します。
①無理な予算を組んでしまう可能性がある
事前審査で申し込む金額は、あくまで「自分が最大いくらまで借りられるか」という金額です。なので、その借入金額が「無理なく返済していける金額なのか」どうかは別です。
借入希望額を3500万円で申し込んで、希望通りの3500万円が借りられることになったからといって、それで予算確定とせず、無理なく返済していけるかどうかを確認しましょう。
<一緒に読みたい記事>【資金計画で成功する人と失敗する人の違い】住宅ローンの借入額を決めるときのコツとは?
②住宅ローンを通してくれた担当者に借りができる
住宅ローンの事前審査は、大抵の場合で住宅会社や不動産会社を通して行います。住宅会社の担当者が事前審査を通すために面倒な書類の手続き等を代行してくれたりと、色々と尽力してくれます。
なので、事前審査に通った時はその担当者に借りができてしまう形になります。もちろん住宅ローンの事前審査を通したからといってその住宅会社で建てなければならないという決まりはないので、嫌なら断ればいいだけの話です。
どう判断するかは個々人によると思いますが、本当に良くしてくれていると感じるならその担当者に任せてもいいと思います。逆に、良くはしてくれるけどやっぱ他社のほうが魅力的と思うなら、そちらを選べばいいと思います。
住宅ローンの事前審査を申し込む最適なタイミングとは?
次に、事前審査を申し込むべき最適なタイミングについて解説します。
最適なタイミングは、家計の見直しとライフプランニングを行って、「無理のない月々返済額」を設定した後です。
なぜこのタイミングで事前審査を行うべきだと思いますか?理由は二つあります。一つは住宅ローンが借りれるかを事前に確認して時間を無駄にしないため、もう一つは「予算」という枠を設定した上で家づくりを進めるためです。
最初に「無理のない予算」という枠を設定せずに家づくりを進めてしまうと、「返済当初は問題なかったけど、後々住宅ローン以外の費用が上がって家計がギリギリ」という事態に陥る可能性があるからです。
<一緒に読みたい記事>土地を買って注文住宅を建てるときの正しい資金計画の組み方とは?
それでも事前審査は“借入最大額”で申し込んだほうがいい理由
とはいっても、無理のない返済額を計算したら3000万円だったからいって、事前審査も3000万円で申し込む必要はありません。事前審査は、最大の借入額で申し込むことをオススメします。
なぜかというと、後で減額はできても、増額は難しいからです。
例えば、「無理のない返済額を計算したら3000万円だったけど、希望通りの家を建てるには3300万円必要」となったとします。差額は300万円です。
300万円の増額なら、月々の返済額にするとプラス1万円程度になります。プラス1万円くらいなら、家計の見直しを再度行えば捻出できるかもしれません。となると、「300万円予算を上げて希望通りの家を建てる」という選択肢も視野に入ってきます。
しかしこの時、もし事前審査を3000万円で通してしまうと、その300万円は別の方法で準備しならなくなってしまうんです。そのため、事前審査の時は最大の借入額で申し込んでおいたほうが無難です。
いかがでしたか?
住宅ローンの事前審査のメリット・デメリット、事前審査を行う最適なタイミングはご理解頂けたでしょうか。最後にポイントをまとめておきます。
○事前審査を行うことで、住宅ローンが借りられることを確認した上で家づくりを進められる。
○事前審査を通しておくと、見込み度が高いと判断され良い土地情報が集まりやすくなる。
○事前審査で申し込んだ金額は減額はできても増額は難しい。最大で借りられる額で申し込んでおいた方が後で調整がしやすい。
せっかく打合せを進めて細かいことまで決めたのに、その後に住宅ローンが通らないことが分かったとなると、大きく落胆してしまいます。早い段階で事前審査を申し込んで、住宅ローンを借りられることを確認した上で計画を前に進めていってください。