家づくりサポーターの長田です。
私は住宅業界にいるので、住宅関係の新聞広告やテレビCMなどには敏感に反応してしまいます。
そんな中でたまに見るのが「月々たったの○万円で家が建てられる!」という広告。
皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
私はこんな広告を見た時、こんなことを思っています。
「うわぁ、これは勘違いしちゃう人いるんだろうな…」
みなさんは勘違いしていませんか?
なんと、“月々の支払い”という金額は、計算方法次第でどれだけでも安く見せることができるんです!
もしもそのことに気づかないまま、月々の支払金額を鵜呑みにして住宅会社に行ってしまうと、「え!?考えていたことと違う!」と後悔してしまうかもしれません。
今回は、そんな月々の支払いを安く見せるための計算方法を4つ紹介します。
注目するべきポイントは、月々の支払い計算の注釈の部分です。
①最低金利を設定して計算されている
現在、住宅業界では「歴史的な低金利」と言われており、住宅ローンの金利が1%を下回ることも多くなっています。
ですので、支払い金額の注釈に『※金利0.9%』と書いてあるのを見ると、「やっぱり今は金利が低いから支払いも安く済むんだね~♪」なんて考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、全員がそこに記載されている金利で住宅ローンを利用できるわけではありません。
住宅ローンを利用するときには「事前審査」というものを受け、返済能力や信用性を調べられた上で、それに見合った金利が適用されます。
ですのでもし最低金利が0.9%だったとしても、審査の結果0.9%以上の金利になってしまうこともよくあります。
住宅ローン金利の0.1%の違いは最終的にかなりの金額差になりますので、注意してください。
また、選択する金利のタイプによっても数字は変わってきます。
「変動金利型」や「固定金利型」などの種類があり、一番金利が低いのは変動金利型。
固定金利型を選択する場合は金利が大きく変わります。
どのタイプの金利で計算したのかについても注釈に書いてありますので確認してみてください。
②頭金として多額の金額が設定された計算になっている
最近は金利が低いこともあって、頭金は払わずに家づくりをされる方も多くいらっしゃいます。
もしも頭金なしで家づくりをしたいと考えている場合は、この項目にも注意しておきましょう。
支払い計算の注釈には頭金についても記載されていますので、そこを確認してみてください。
たまに、頭金として多額の金額を設定することで月々の支払いを安く見せていることがあります。
③ボーナスのときに多額の支払いをする設定で計算してある
前項目の頭金よりも大幅に月々の支払い金額を減らす方法として、「ボーナス時返済」というものがあります。
これは、年に2回のボーナス支給があった時にまとまった大きな金額を返済に充てるというもので、こちらも月々の支払い計算の注釈に記載されています。
住宅会社によってはこのボーナス時返済額としてかなりの金額を設定しているところもありますので気を付けてください。
また、ボーナス時返済は資金に余裕があるタイミングで返済ができるというメリットもありますが、万一ボーナスが下がってしまったりもらえなくなったりした時に、ムリな支払いで家計を圧迫する可能性があります。
できるだけ使わないほうがいいというのが私個人の意見です。
④計算に含まれていない費用がある
支払い計算の注釈をよく見てみると、「※別途○○費用」と書いてあることがあります。
この場合、記載されている月々の支払い金額だけでは家を購入することができず、追加で多額の費用がかかってしまいます。
この別途費用には水道引き込みや外構などの工事関係、火災保険や登記などの諸費用関係が該当します。
なぜ別途で費用を取るようにしているのかというと、建築地や保険の内容によって金額が変わってしまうため。一概に「○万円!」ということができないから。
さらにややこしいことに、住宅会社によってどこからどこまでを別途費用として設定しているかが異なることがあります。
事前に別途費用のだいたいの金額とその内訳についても住宅会社に聞いてみると良いでしょう。
いかがでしたか?
このように、建物の販売価格が表示されている時にはその注釈をしっかり確認しておきましょう。
でも新聞や雑誌の広告はゆっくり見ることができますが、テレビのCMで一瞬しか出てこないものはなかなか確認できませんよね。
そんなときにはとりあえず住宅会社の名前だけを覚えておき、HPで金額と詳細を確認するようにしましょう。
家づくりサポーター 長田圭史