住宅ローンの返済を早く終えたい。でも繰上返済でまとまったお金が出ていくのはちょっと怖い…。
こんにちは。丸本です。
住宅ローンの返済を早く終えたいなら、繰上返済をするのが一般的です。しかし、繰上返済で数十万単位のまとまったお金を出すのは不安と感じる方もいるかもしれません。
しかし実は、繰上返済以外にも住宅ローンの返済期間を短くする方法があるってご存知でしたか?
その方法とは、「月々返済額の増額」です。これなら毎月の支払いが少し増えるだけで、まとまったお金が出ていくことはありません。では、月々返済額を増額する時に注意すべきポイントは何でしょうか?本日は返済額の増額による効果と、活用するときの注意点をお伝えします。
■月々返済額を増額すると、どのくらい返済期間を短くできる?
まず、月々の返済額を増額するとどのくらい返済期間を短くできるのか見ていきましょう。
下記の計算例は、借入額3500万円、金利1.37%、35年返済の条件で借り入れた場合、「返済額をそのままにした場合」と「途中で返済額を増額した場合」を比較しています。
□「返済額そのままにした場合」と「途中で返済額を増額した場合」の比較
【計算条件】借入額3500万円、金利1.37%、35年返済、元利均等、全期間固定 | ||
返済額そのまま | 途中で増額 | |
月々返済額の増額分 | 0円 | 約1万円増額
(11年目から毎月) |
総返済額 | 約4408万円 | 約4356万円 |
返済期間 | 35年間 | 32年7ヶ月 |
返済期間の差異 | 2年5ヶ月 |
返済額がそのままの場合、総返済額は約4408万円となっていますが、11年目から返済額を1万円増額した場合の総返済額は約4356万円と約50万円以上の金額差が出ています。
□返済額そのままの場合の総返済額 → 約4408万円
□途中で増額した場合の総返済額 → 約4356万円
□返済額の差異 → 約52万円
また、途中で返済額を増額した場合では、返済期間も2年5ヶ月短くすることができています。
仮に毎月1万円を貯金して、年に1度12万円を繰上返済するよりも、毎月1万円ずつ返済額を増額したほうが利息の軽減効果は大きくなります。
■月々返済額を増額する時に注意すべきポイント
では、月々の返済額を増額する時に注意すべきポイントをお伝えします。大きく分けて3つです。
①増額するのは簡単でも、減額するのは難しい
月々の返済額を増額する場合、金融機関としても早く返済してもらえたほうがよいので手続きはさほど難しくありません。
しかし、「苦しくなったから月々の返済額を減額したい…」という場合は、審査を再度受ける必要があるなど、手続きが複雑になります。審査の結果によっては減額ができないこともあるようです。
そのため安易に増額するのではなく、しっかり見通しを立てた上で増額するかどうかを決めましょう。
②収入が増えても、支出も増える可能性がある
お子さんがいる方は、成長につれて養育費も増えてきます。仮に毎月の収入が2万円増えたからといって、そのまま2万円を返済の増額分に回すのは危険です。
収入と支出のバランスを見ながら計画しましょう。
また、返済額を増額する期間を限定できる場合もあります。支出が少ない時期は返済額を増やして、支出が増えてくる時期は元の返済額に戻すといった工夫も大切です。
③繰上返済に比べて、コントロールがしづらい
繰上返済はしたいときにすればよいので、思わぬ支出が出た時は繰上返済の時期を先延ばしすることができます。しかし、返済額を増額した場合は一定期間、もしくは返済が終わるまで間は増やした分の返済額を払っていかなければなりません。
そのため、余裕資金をすべて月々の返済額を増額に回すよりも、繰上返済も併用していったほうがリスクは少なくなります。
■繰上返済以外で住宅ローンの返済期間を短くする方法、いかがでしたか?
繰上返済以外で住宅ローンの返済期間を短くする方法とその注意点をお伝えしてきましたが、いかがでしたか?最後にポイントをまとめておきます。
○繰上返済以外で返済期間を短くするなら、月々の返済額を増額する
○一度増額すると、減額は難しい。そのため増額する金額は慎重に検討する
○収入が増えても支出も増えることもあるため、家計のバランスを見ながら検討する
ちなみに、繰上返済の計算はシュミレーションサイトを使えば簡単できますが、月々返済額を増額する場合の計算ができるサイトは見つかりませんでした。なので手計算しか方法がありません。なので、FPなどの専門家に相談したほうが早いかもしれませんね。