こんにちは。丸本です。
住宅ローンについて少し勉強した方なら、「返済期間は35年にしておいて、余裕のあるときにガンガン繰上返済!」と考えていると思います。
でも、ここで一つの問題が。「余裕のあるときっていつ?」という問題です。つまり、繰上返済して少しでも利息を減らせばいいのは分かっていても、具体的なタイミングまでは分かってない場合がほとんど。
繰上返済のベストなタイミングはいつでしょうか?これから解説していきます。
繰上返済の基本!早ければ早いほど得!
まず、繰上返済の大前提として、基本的に早ければ早いほど得です。
例えば60歳になったときの退職金の一部を繰上返済に回そうと考えている方がいますが、それでは効果が薄くなってしまいます。
下記の表は30歳で住宅ローンの返済を始めたとして、「10年後の40歳のときに100万円を繰上返済した場合」と、「30年後の60歳のときに100万円の繰上返済をした場合」の比較しています。
見てもらえば分かりますが、同じ100万円の繰上返済でも、利息の軽減効果は23万円も異なります。つまり、繰上返済は早ければ早いほど得だということです。
繰上返済のベストなタイミングは?
次に繰上返済のベストなタイミングについてお伝えします。ベストなタイミングは、お子さんが中学生の間までです。
まず、繰上返済をするには家計に余裕がないといけません。そして、ライフステージの中で家計に余裕があるのは、子どもの教育費が掛からない間です。その期間が幼稚園(保育園)~中学生の間までになります(一般的には)。
下記の表は幼稚園~大学までの1年あたりの教育費を比較しています。見てもらえば分かりますが、大学からは多額の教育費が必要になります。一人暮らし等の費用は含まれていないため、県外に出る場合はこれにプラスして家賃が掛かります。また、高校も私立に行くと年間100万円以上掛かることに。
一般的には小~中学校までは公立、私立に行くとしたら高校からになる可能性が高いと思います。親としては「高校、大学も国公立に…」と考えたいところですが、お金が掛かるほう(私立に行く)を想定しておいたほうが無難です。
となると、公立小学校→公立中学校→私立高校→私立大学で想定することになります。その場合、中学校までの教育費は年間50万円未満ですが、高校からはその教育費が一気に倍以上に。
となると、子どもが高校に行きだしたら家計に余裕が無くなってきますよね?
そのため繰上返済はその前まで、つまり子どもが中学生までの間にしておいたほうがいいということになります。
ちなみに小学校から中学校に上がると、教育費も年間15万円くらい上がります。となると家計に余裕が無くなりそうですが、実際にはあまり心配する必要は無いと思います。
中学生になるとほとんどの子が部活を始めるので、家族旅行に行ったりしなくなるからです。だからその分家計が浮くはずです。
繰上返済は年末より年初にする!
細かい話にはなりますが、住宅ローン減税の適用期間中(10年間)は、繰上返済のタイミングは年末より年初にしたほうが得します。なぜかというと、年末に繰上返済してしまうと、住宅ローン減税で得するお金が減ってしまうからです。
住宅ローン減税は、年末時点の住宅ローン残高が控除の対象となります。つまり、年末に繰上返済をして住宅ローン残高を減らしてしまうと、同時に減税されるはずの分も減ってしまうからです。
もちろん繰上返済の額、金利、返済時期や住宅ローン残高にもよりますが、ほとんどの場合、年初に行ったほうが得になるはずです。
とはいっても、実際に計算してみると得する金額は数千円単位。「それぐらいなら気にしない」、「計算がめんどう」ということであれば、早めに繰上返済したほうが得になります。
※あくまで年末と年初を比べたときの話です。例えば6月に繰上返済できるのに翌年の1月まで待つ必要はありません。それまでに掛かる利息が無駄です。
いかがでしたか?
住宅ローンの繰上返済のベストなタイミングはご理解頂けましたか?最後にポイントをまとめておきます。
○住宅ローンの繰上返済のベストなタイミングは子どもが中学生までの間
○高校、大学と国公立に行く可能性もあるが、計画上は私立で想定しておいたほうが無難
○繰上返済は年末より年初に行ったほうが得する場合が多い。
繰上返済の計画は住宅ローンを借りてからではなく、借りる前にしておきましょうね。