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新築一戸建てと中古住宅、どちらを買うか決めるための5ステップ 「中古が安い」は思い込みかも!?

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こんにちは。丸本です。

先日「賃貸と持ち家はどっちが得か?」というテーマのブログを書きました(記事はコチラから)。

実は、住宅業界にいてよく聞かれる質問がもう一つ。それは「新築と中古はどっちが得か?」という質問。

もちろんこの結論は、結局は「人による」としか言いようがありません。でもさすがにそれだけだと不親切なので、どっちが得か判断しやすいように比較ポイントと注意点をお伝えします。

比較ポイント①価格の違い~リフォーム費用次第では中古が割高になることも~

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価格はもちろん新築のほうが高くなります。中古住宅の場合、一般的に築年数が経つほど安くなります。

ただ、中古住宅の中には大きく分けて3種類の物件があります。

①ほぼそのまま住める物件(目安:築10年以内)

②キッチンや風呂、トイレ等の水廻りリフォームが必要な物件(目安:築10~30年)

③家全体のリフォームが必要な物件(目安:築20~50年)

②の「キッチンや風呂、トイレ等の水廻りリフォームが必要な物件」の場合、リフォーム費用は100~500万程度必要になります。

③の家全体のリフォームが必要な物件の場合、リフォーム費用は500~1500万円程度です。

そのため、“3500万円の新築”と“2500万円の中古”を比べようとしても、単純に比べられません。なぜかというと、例えば2500万円の中古に必要なリフォームを施したら800万円掛かったとします。その場合、総額は3300万円。あと200万円予算を追加すれば新築を建てることができます。

「これぐらいなら新築を建てたほうがいい」と思うか、「200万円も差があるなら中古でいい」と思うかどうかは結局人によるからです。最終的にはあなたが判断するしかありません。

注意点として、「新築=高い、中古=安い」と思われがちですが、リフォーム費用次第では中古のほうが割高になることもあるということは知っておくべきです。

比較ポイント②保証期間の違い~新築の場合は10年が義務、中古の場合は保証無しのケースも~

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保証に関しては、新築住宅の場合は法律によって10年間の保証を義務付けられています。

では中古住宅はどうかというと、一般的には“2年間”、もしくは“保証無し”になります。

2年間というのはあくまで宅建業者(不動産屋)が売主の場合です。仲介物件の場合、売主はほとんどの場合で“個人”になるので、新築住宅のように保証が義務付けられていません。

もちろん全く保証がないと売れない場合もあるので、個人の売主でも瑕疵保険に入る場合もあります。その場合も期間は一般的に“1年間”ということで、新築住宅の10年保証に比べると短くなっています。

つまり中古住宅を選ぶときはこの“保証期間”が短いというリスクは負わなければなりません。ということは、もし購入した物件に何かしら不備があった場合、保証期間が過ぎていれば自費で対応しなければなりません。

こういったリスクを背負いたくないのであれば、10年間の保証が義務付けられている新築住宅を選んだほうがいいと思います。

比較ポイント③入居のタイミング~中古住宅だからすぐに入居できるわけではない!?~

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次に購入のタイミングについてです。新築の注文住宅の場合、契約してから実際に入居するまでに6~9ヶ月程度掛かります。

中古住宅の場合、そのまま住める物件であれば契約から入居までは1~2ヶ月程度。しかし、家全体のリフォームが必要な場合、契約から入居まで1年以上掛かることも。

「なんで?」と思った方は、折り紙で考えると分かりやすいと思います。例えば、折り紙でかぶとを作るとします。このとき、“未使用の折り紙でかぶとを折る”のと、“鶴の形に折られた折り紙をかぶとに折り直す”のでは、どちらが時間が掛かるでしょうか?普通に考えたら後者ですよね。

これを住宅に言い換えると、新築の場合は“未使用の折り紙でかぶとを折る”中古住宅の全体リフォーム“鶴の形に折られた折り紙をかぶとに折り直す”になります。

もちろん物件やリフォームの範囲にもよりますが、「中古住宅を買えばすぐに住める」とは思わないほうがいいということです。

新築を買うか中古を買うか決めるための5ステップ

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いかがでしたか?今日は3つの比較ポイントをお伝えしましたが、結論としては「総合的に判断するしかない」ということになります。

まず、「住宅購入のために予算がどれだけあるか」、「その予算だと新築だとどれぐらいの家が購入できるか」、「中古だとリフォーム費用も入れてどれぐらいの家が購入できるか」を比較して、初めて結論を出すことができると思います。

と、ざっくり書くと簡単に見えるんですが、実際にやると相当大変だと思います…。ということでカンタンに判断するための方法を一つご紹介します。

☑新築を買うか中古を買うか決めるための5ステップ

①まず住みたい地域の中古住宅の物件を探す。

②中古住宅を3~5件程度内覧する。

③「これは!」と気に入るものがあれば、買う。(もちろん予算に合うかも確認してください。)

④逆に気に入るものがなければ、中古住宅は選択肢から外して新築住宅だけに絞る

⑤新築住宅に絞ったら、中古住宅の物件情報は一切見ない。

以上です。これはあくまで“新築か中古で迷う人”のための手順です。最初から“新築”もしくは“中古”一択の人はこの手順を追う必要はありません。無駄です、時間の。笑

ちなみに中古住宅の物件を見始めると、「待ってたらもっといい物件が出てくるかも…」と思いがちですが、そんなことを考える意味はほとんどありません

もしかしたら、新築住宅を建てた後に、ほぼ同じ条件(広さや立地等)で200~300万円価格が安い中古住宅が売りに出されるかもしれません。でも、「新築住宅にする」と意思決定をした時点でその情報は無かったんです。そんなの、どうしようもないと思いませんか?自分でコントロールできない部分で悩んでも仕方がありません。

さらにいうと、自分が建てた家とほぼ同じ条件で200~300万も安いような物件は誰でも欲しがります。めちゃくちゃ激戦です。おそらく、物件情報がネットに出回る前に決まってしまいます。つまり、運よく見つけられてもすでに他の人に取られている可能性が高いということです。

住宅ローンの変動金利と固定金利を選ぶときも同じですが、どっちが得だったかは終わってみて初めて分かること迷っている間に家賃を無駄にするよりも、持ち家にしてしまって自分の資産のためにお金を払ったほうが合理的だと思いませんか?

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丸本 文平

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級
2012年に人材業界から住宅会社に転職。住宅会社では主に販促企画や「知って得するお金の勉強会セミナー」の講師等を担当。家族は妻とちーちゃん(娘/1歳3ヶ月※2016年現在)の3人家族。家では主に食器洗いと娘の歯磨きを担当。仕事にかまけず日々の子育てもしっかりやってるおかげで、ママとの「ちーちゃんこっちおいで」の勝率は7割を超える(もちろんそれ以外はママには勝てない)。