私には毎年寒くなると思い出す、ある苦い思い出があります。それは高校生の頃の「長距離走大会」での事。
私の高校の長距離走大会は、家から自転車で1時間くらい移動した運動公園であっていました。先に女子がスタートし、時間をずらして男子がスタートするというもの。
体育自体は好きでしたが、とにかく長距離走は苦手で大っ嫌いな私。「まぁ楽に走って制限時間以内にゴールすればいいか~」なんて思っていました。
しかし、走っているうちにその考えは変わりました。少しでも早くゴールしたい…みんなの横を駆け抜けていきたい…
そう、私は気付いてしまったのです。
走る楽しさ…ではなく、授業の時とは違って女子と一緒に走っているというその状況に!
苦手なのに、無理し始めます…
高校の頃の私は、それはそれは女子にモテたい盛りでした。ちょっとでもかっこいいところを見せたい。その一心に染まっている長田少年当時17歳。
女子の横を通り抜ける時だけスピードを上げ、平然とした表情で走り抜けます。…そして女子が見えなくなったらゼェゼェ言いながら歩くという繰り返し。
しかし終盤になってくると人が増え始め、無理なスピードで走り始めてからペースが落とせなくなりました。(男の意地的な問題で。)
その結果、自分でも思ってなかったくらいの良い順位でゴール!しかしここである問題が発生。
「自転車が…こげない…」
使える力のすべてを出しつくしていた私は、大会が終わって帰ろうとしても足がパンパンになりなかなか自転車がこげなくなっていたのです。
そんな状態で乗るのは危ないので、自転車を押しながら疲れた体で3時間近く歩いて帰る羽目になりました。帰りついた瞬間玄関に倒れ込み、そのまま動けなくなるという始末。
その時に学んだ教訓。「自分の限界と後々の事まで考えて、無理しすぎないようにしよう。」
やっぱり長期戦の時は、自分のペースで挑むことが肝心なんですね。
なぜこの話をしたかというと、家の予算を考える時にも同じような事が言えるからです。
家の予算はどう計算する?
家を購入する時、多くの方は「住宅ローン」を利用されます。住宅ローンの返済期間は最長で35年間なので、予算の計算は月々○万円の35年返済という考え方をするのが一般的です。
そして多くの人は「自分たちはMAXいくらまでなら借りることができるのか」という上限金額を決め、それを軸に住宅会社選びを始めます。
すると住宅会社から資料請求をしてみたり展示場に行ってみたりするにつれて、「あれもこれもやりたい!」というアイデアどんどん生まれていき、結果予算のギリギリに納めるような住宅ローンを組む方がいらっしゃいます。
「せっかく一生に一度の家づくりだから、後悔は残したくない!」そんな気持ちも分かります。
しかし、住宅ローンは35年というかなりの長期戦です。無理な住宅ローンを組んでしまうと、その後の生活で趣味や家族旅行、教育費なども辛抱しなくてはならなくなる可能性もあります。
せっかく家を建てたのに35年間の住宅ローンの支払いで頭を抱えて、我慢ばっかりの生活をするなんて嫌ですよね。
長距離走と同じで、肝心なのは自分たちにとって無理のないペース。
住宅ローンを組む時には、「自分たちはいくらまでなら借りることができるか」ではなく、自分たちの現在の生活や先々の事まで考えて、「いくらまでなら生活に無理なく返すことができるのか」という金額を考え、マイホームの予算決めを行いましょう。
家づくりサポーター 長田圭史