こんにちは、長野です。
建築において、「柱」と同じくらい重要なのが「梁」。この「梁」がどんな役割を果たしているか、ご存知ですか?梁は、屋根や2階の床などの荷重を支えるための構造部材です。ほとんどの場合、天井を張って隠すことが多いので見えることはありません。しかし、最近では天井を張らずにあえて梁が見えるようにすることで、デザインとして楽しむ方もいらっしゃいます。
そこで今回は、「梁が見える天井」にするときの注意点をご紹介します。天井の形や、有り無しで部屋の印象も大きく変わるので、考えるときの参考にしてみてくださいね。
梁には2種類あるってどういうこと?
梁には大きく2種類に分けられます。「構造部材としての梁」と「装飾としての梁」です。「構造部材としての梁」は先ほどご紹介した荷重を支えるための梁のことです。もう一方の「装飾としての梁」は「化粧梁」と呼ばれる、構造部材とは別にインテリアとして取り付ける梁のことを言います。
「梁の見える天井」にするときの注意点
①梁の上部にほこりが溜まりやすくなる
当然ですが、梁は天井の高さにあるのでなかなか簡単に手が届く場所ではありません。そのため、長年お手入れが行き届かず気付いたら梁の上部にほこりが溜まっていた…なんてことも。
「わざわざお手入れを業者に依頼するのは手間」という方は、梁の上部を天井に付ける形にすれば問題ありません。
②照明器具の種類や取付場所によっては支障が出る場合も
梁の見える天井にする場合は、照明器具の取付場所にも配慮が必要です。梁と梁の間隔が狭いと、天井付けのシーリング照明を設置するのが難しくなります。また、設置場所によっては梁が照明の光を遮ってしまい影ができてしまう場合もあります。天井ではなく梁に照明器具を取り付けることもできますが、梁に穴をあけるか配線を露出させることになるので見栄えの問題も出てきます。
難しい配線の問題もあるので、照明を考えるときはどんな照明を取り付けたいのかを担当の設計者の人に事前に伝えておきましょう。
③経年劣化で変色や割れが生じる可能性も
無垢の梁の場合、経年劣化で変色したり割れが生じることもあります。梁は、塗装する場合が多いので、定期的なメンテナンスも必要になります。しかし、無垢材の変化を楽しめるのでそれもまた、「味」かもしれませんね。
梁は見せる?見せない?
いかがでしたか?梁が見えることでインテリアとしておしゃれになるだけでなく、天井が開放的になったり通気性が良くなったりと過ごしやすい空間づくりができます。しかし、そのときは今回ご紹介した点にも注意が必要になります。
自分がイメージしている空間づくりができるか、メンテナンスは定期的に行えるかをしっかり考えた上で「梁の見える天井」にするかどうか決めることをおすすめします。
家づくりサポーター 長野