ガスとオール電化。あなたのお住まいにはどちらをご希望ですか?賃貸部件はまだまだガス併設の物件が多いですが、新築一戸建ての場合、ほとんどの営業さんは「オール電化が良いですよ」と言ってきます。でも、本当にあなたの生活にとってオール電化の方が合うのでしょうか?そこで今回はガスとオール電化の比較を「料理時」「光熱費」「災害時」の3つの視点に分けてご紹介します。
日常の料理に向いているのはどっち?
IHよりガスの方が火力が強い…これは一昔前の話です。最近はどちらの火力も同じくらいなので料理時間も変わりません。お手入れはIHの方が一面フラットなのでラクラク。汚れた場合、料理後でもさほど熱をためていないのですぐに拭け、こびり付きも防げます。ガスコンロには凹凸があったり、熱をためやすくすぐには掃除できません。
フライパンや鍋などの品数も今はIH対応の方が多くなっています。冬の醍醐味である鍋をする時、もしカセットコンロを使うのであれば、鍋はIHとガス両対応のものを購入すると便利です。危険性もIHの方が少ないです。IH本体は熱源が火ではないので子どもが誤って触れても火傷しません。しかし、調理中のフライパンや鍋は熱を持っているので火傷してしまいます。ガスの場合、コンロも鍋もどちらも触れると火傷の危険性があります。また、ガスの場合、鍋だけでなく空気も暖めてしまうので、キッチン内が暑くなり夏には蒸し風呂状態で脱水症状の危険もあるので、換気や温度調整をしっかりしましょう。IHの場合、フライパン返しなどの小技ができないので男性にとっては少し物足りなく感じてしまうのではないでしょうか?
光熱費はどちらが安いの?
上記の図はガス併設時とオール電化時の光熱費の支払いの違いです。
オール電化が安い理由。それは“基本料”です。ガス併設の場合、基本料は電気とガスの2つかかりますが、オール電化の場合だと基本料は電気のみ。ガスを使わない分電気の使用料が増えていますが、結果的に“ガスの基本料金”がなくなるため「ガス併設よりオール電化が安い」と言われているのです。
では、どのくらい安くなるのか?ガスの基本料金は平均で約1,700円(出典:プロパンガス協会)。1年間で約2万0,400円。35年間で約71万4,000円になります。(35年間とは、住宅購入時の住宅ローン支払い期間の平均)
万が一の災害時に強いのはどっち?
過去に電気・ガスなどのライフラインに大きな被害を与えた災害時の復旧までの日数をまとめました。
<阪神・淡路大震災>
電気:約6日 ガス:約70日
※兵庫県HP「阪神・淡路大震災の支援・復旧状況」より
<新潟中越地震>
電気:約2日 ガス:約40日
※新潟県HP「平成19年7月16日 新潟県中越沖地震によるライフライン被害状況第57報」より
<熊本地震>
電気:約5日 ガス:約15日
※熊本県HP「平成28年熊本地震への対応(下)」より
以上のようにガスよりも電気の復旧の方が早いことが分かります。台風などの風や大雨による災害の影響では、断水や停電など、電気・水道への弊害はよく耳にします。確かにガスの被害は少ないですが、風によりガス管が倒れてガス漏れになることもあります。一次災害だけでなく二次災害はオール電化、ガス併設どちらにも起こりうることですので、それぞれ対策が必要です。
まとめ
以上3つの視点に分けて、オール電化とガス併設の違いについて紹介してきました。住宅業界では「オール電化が良い」と言われてます。しかし、それぞれを比較してみると、オール電化が良いとは一概には言えません。個人の好みや非常時にはガス併設の方が良い場合もあります。最初はオール電化で後からガス併設に変える場合は、複雑な工事になるので費用が高くかかってしまいます。ですので、新築一戸建てをご検討の際はしっかり相談して、オール電化かガス併設かを決めてください。