こんにちは、長野です。
よく間取りの話のなかで「回遊性」という言葉が出てきます。この「回遊性」の意味をご存知ですか?回遊性とは、漢字が表す通り家のなかをぐるっと回ることができるようになっている間取りのことです。
今日は、回遊性のある間取りのメリットとデメリットについてご紹介します。
回遊性のある間取りのメリットとは?
回遊性のある間取りの一番のメリットは、動線を短くできることです。(動線とは、家のなかで人がどのように移動するかを線で表したものです。)
例えば、キッチンと洗面所が隣り合っていても二部屋が壁で仕切られている場合、一旦ホールを通って行き来する必要があります。しかし、キッチンと洗面所の間を壁ではなく扉で仕切った場合、アクセスがしやすくなり使いやすくなります。遠回りになってしまいそうなところを回遊できると、家事の負担も軽減できそうですね。
回遊動線は、水廻りとの相性が良いという特徴を持っています。玄関ホールと洗面所とキッチンを回遊できる間取りの場合、帰宅したらすぐお風呂に入る生活スタイルだけど、キッチンで料理をしながら洗濯もできるようにしたいという2つの要望を両立して実現しやすくなります。
さらには、洋室からトイレや浴室に最短でアクセスできるようにしておけば、夜中に何度もトイレへ行くときの負担軽減や、高齢の方がいる家では介護の負担も軽減するのにも効果的です。
回遊性のある間取りは、使いやすさや機能性をもたらしてくれます。ここまで、回遊性のあることで得られるメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットもあるんです。
では、デメリットとは?
デメリットを挙げるとすると、やはり「家具の配置に制限がかかってしまう」という点です。回遊するための動線を確保しなければあらないので、本来であれば家具を置くことができた場所に扉を設置したことで、出入りのためのスペースが必要となります。出入口が多くなればなるほど、家具配置の有効利用スペースは限られてしまうんです。
また、回遊できるようにすることで、洗面所などの水廻りには2ヶ所以上鍵を付ける必要がでてくる場合もあります。さらには、スイッチをどこに付けるかをしっかり計画しておかないと、洗面所のなかにいるのに外から他の人に電気を消されてしまったなんてこともあるかもしれません。
洗面所などの部屋に鍵を付ける場合は、回遊できる扉すべてに付けないといけないので少し手間だったりもします。
回遊できる=どこからでも家族が入ってくる、という可能性も高くなるので生活していて不便が出てこないかイメージしておくことが大事です。
優先順位をつけるのがポイント
回遊性を持たせることで、家のなかを動きやすくなったり使いやすくなったりします。その一方で、家具の配置が難しくなったり耐震性に影響したりもします。
回遊できるほうが家族の生活スタイルにあっているのか、もしくは回遊できなくても不便はないのか(回遊しない方が生活しやすいのか)を事前に確認しておくと、より生活しやすい家をつくることができますよ。
家づくりサポーター 長野