こんにちは!
家づくりサポーターの長田です。
オール電化の家づくりとガス併用の家づくり、あなたはどちらが希望ですか?
もしガス併用の家づくりを考えている方は、ガスにも2つの種類があります。
それは『都市ガス』と『プロパンガス(LPガス)』。
それぞれに特徴があり、選び方によって注意するポイントが変わってきますので、今回はこの2つのガスを簡単に比較してみたいと思います。
都市ガスとは?
地中に設置されたガス導管を通して、ガス会社から一般家庭に供給されるガス。
-162℃まで冷却すると液化して体積が1/600になるので、一旦ガス会社にあるガスホルダーという巨大な丸いタンクに貯めておき、気体の状態で地中のガス導管を通して一般家庭に供給します。
プロパンガス(LPガス)とは?
ガスボンベに入れて一般家庭に供給されるガス。
圧力をかけると液化して体積が1/250になるので、都市ガスほど大がかりな液化作業が要らず、液体の状態でガスボンベに入れて一般家庭に供給することができます。
ちなみにLPガスの“LP”とは、“Liquefied Petroleum Gas(液体石油ガス)”の頭文字が由来となっています。
☑コストの違い
初期費用を比較すると、都市ガスを使用する場合は地面を掘ってガス導管を引き込む工事費用が発生しますが、プロパンガスの場合はガスの設置工事は業者負担となることが多く、無償で設置することができます。
しかしランニングコストを比較すると、都市ガスは公共料金として金額が定められているのに対してプロパンガスは自由料金となっており、金額はプロパンガスの方が高くなる傾向にあります。
さらにプロパンガスの業者によっては、初期の設置工事を無償にする分、毎月のガス料金に上乗せして資金を回収することもありますので、ガスの料金については注意が必要です。
☑災害時の復旧スピードの違い
地震などの災害でガスが止まったときは、ガスの供給経路に欠陥や問題がないかを確認して供給を再開させる、という流れになります。
都市ガスの場合は、ガス導管が地下に埋まっているため2000~3000軒の地域ごとに確認が必要になり、復旧までに時間がかかってしまいがちです。
一方プロパンガスであれば、1軒単位で安全が確認できれば随時ガスの供給を再開させることができるので、復旧スピードは早くなります。
☑熱量の違い
都市ガスは1㎥あたり11000Kcal、プロパンガスは1㎥あたり24000Kcalの熱量があり、比較するとプロパンガスの方が約2.2倍の熱量があります。
ただ、熱量に比例して火力も2.2倍あるかというと、そうではありません。
使用するガス機器が同じであれば、都市ガスでもプロパンガスでも火力は同じになるんです。
例えば1時間で1000Kcalの熱量を消費するガス機器を使った場合、上記の熱量をもとに計算すると、都市ガスでは1㎥で11時間、プロパンガスでは1㎥で24時間使用できるということになります。
熱量とは、“ガスの濃さ”というイメージすると分かりやすいと思います。
「中華料理屋さんなどの料理店でプロパンガスを使うことが多いのは火力が強いから」という話もありますが、実は火力が決め手ではなく、プロパンガスの方が自由に料金を設定できるため、大量にガスを使用することが見込まれる飲食店には格安でガスを販売しているから…という理由もあるんです。
☑ガスの重さの違い
「なんか…ガス臭い!?」
万が一、家の中でガス漏れしていた時には、都市ガスとプロパンガスでは対処の仕方が変わります。
実は都市ガスとプロパンガスでは、ガスの重さが違うんです。
都市ガスは空気より軽く、プロパンガスは空気より重い性質があります。
ですのでもし室内でガス漏れがした場合は、都市ガスは部屋の上に溜まるので高い場所の窓を開けて体をかがませて非難しましょう。
プロパンガスの場合は、小さい子供を高い場所に避難させて足元の空気を吸わないように注意し、掃き出し窓を開けてほうきなどでガスを掃くようにしましょう。
最後に
今回は都市ガスとプロパンガスの比較を紹介しましたが、家づくりをする土地によっては、都市ガスかプロパンガスのどちらかしか選べないところもあります。
ガス併用の仕様で家づくりをしたいと考えている方は、その土地はどちらのガスを使用することになるのかについても調べておくといいかもしれませんね。
そしてどちらも使用できる場合は、それぞれに初期費用とランニングコストの両方を相談してみることをオススメします。