「住宅ローンの保証料って一括払いと金利上乗せ型があるけど、どっちが得なの?」
こんにちは。丸本です。
住宅ローンを借りるときには保証料の支払いが必要になります。とはいってもパッと財布から出せるような金額ではなく、一般的に50~200万円前後のお金を払う必要があります。
そのため、保証料の支払いには「一括払い型」と「金利上乗せ型(≒分割払い)」があります。では、どちらの支払い方がより総返済額を減らせるでしょうか?
(※保証料は借入条件によって異なります。一部、保証料が不要な住宅ローンもあります。)
どっちがお得?保証料の一括払い型VS金利上乗せ型
まず結論から。保証料の支払い方法は、保証料だけを見るなら一括払い型が得です。しかし、総返済額まで含めると金利上乗せ型のほうが得になる場合もあります。
つまり、比較しないと分からないというのが結論です。
では、その理由を見ていきましょう。
住宅ローンを借りる時に必要な「保証料」とは?
そもそも、なぜ住宅ローンを借りる時に保証料が必要なんでしょうか?それは、お金を貸す金融機関のリスクを減らすためです。
もし住宅ローンを借りている人から返済が滞った場合、金融機関は保証会社からお金を払ってもらうことができます。そして、この保証会社が住宅ローン返済の滞納者に対して資金の回収を行うことになります。
住宅ローンのように数千万単位のお金を借りる場合、ほとんどの場合でこういった保証が必要になります。
保証料の「一括払い型」と「金利上乗せ型」の違いとは?
次に、住宅ローン保証料の支払い方法の違いについて解説します。
①一括払い型(別名/外枠方式)
一括払い型とは、借入時に一括で保証料を支払うという方法です。そのため、借入時に50~100万円前後の現金を準備する必要があります。
②金利上乗せ型(別名/内枠方式、内包型)
金利上乗せ型とは、借入金利に0.2~0.3%を上乗せして、住宅ローンと一緒に払っていく形です。分割払いと考えるとイメージがしやすいと思います。
例えば住宅ローンの金利が0.975%であれば、保証料分の金利を0.2%上乗せして、借入金利は1.175%になります。
保証料としては、100~200万円前後支払うことになる場合が多いようです。
※保証料の詳細な金額は、金融機関、借入条件によって異なります。
「一括払い型」と「金利上乗せ型」を比較してみると…
ではなぜ金利上乗せ型のほうが得になる場合があるのでしょうか。解説していきます。
まず、借入額4000万円、金利0.975%、35年返済の条件で比較します。
表を見てもらえば分かるとおり、保証料を比較すると一括払い型は約80万円と金利上乗せ型は約158万円と、2倍近く差があります。そのため、総返済額+保証料を比較すると金利上乗せ型よりも一括払い型のほうが得になります。
○一括払い型 約4803万円
○金利上乗せ型 約4881万円
しかし、実は一括払い型を選択した時に支払う約80万円を頭金にすることで、実は金利上乗せ型のほうが得になります。
上の表を見てもらうと分かるとおり、頭金80万円を入れたことで借入金額を減らしています。そのため、総返済額+保証料で比較すると一括支払い型より金利上乗せ型のほうが得になります。
○一括払い型 約4803万円
○金利上乗せ型 約4783万円
ここでも保証料だけを比較すると金利上乗せ型が約155万円、一括払い型が約80万円と、2倍近くの差があります。しかし、保証料の差だけを見ていると実は損することになってしまいます。
一般的に「分割払い」よりも「一括払い」のほうが総支払額は少なくなりますが、住宅ローンのように複雑な要素が絡み合うと、分割にしたほうが得になる場合があります。
※借入条件によっては一括払い型が得になる場合もあります。
※一括払い型の保証料は借入金1000万円当たり20万円で計算しています。保証料の計算方法は金融機関によって異なります。
いかがでしたか?
住宅ローン保証料の支払い方法について比較してきましたが、いかがでしたでしょうか?
最後にポイントをまとめておきます。
○保証料だけを見たら一括返済型が得。
○総返済額まで含めると金利上乗せ型が得になる場合も。
○保証料だけで判断せず、総返済額も含めて計算する。
もちろん金融機関や借入条件によって、一括払い型と金利上乗せ型のどちらが得になるかは異なります。大切なことは、保証料の金額だけを見て判断せず総返済額も含めて計算することです。
ちょっと面倒かもしれませんが、それだけで数十万単位のお金が浮くことになります。それに掛かる時間を時給に換算したら…かなりいい時給になるんじゃないでしょうか。ぜひ面倒だと思わずやってみてくださいね。