「抵当権」って何?意味はよく分からないけどなんだか怖い響き。どうしても設定しなきゃいけないの?
こんにちは。丸本です。
住宅ローンを借りるとき、自分が建てる家と土地に対して「抵当権」が設定されます。具体的な意味は分からなくても、なんとなく嫌な響きのする「抵当権」。では、そもそもなぜ抵当権が設定されるかご存知でしょうか?抵当権の目的を知っておけば、安心して住宅ローンが組めると思います。
住宅ローン借入に抵当権設定が必要な理由とは?
住宅ローンは高額な借入になるので、その金額に対する担保を提供しなければなりません。
担保とは、お金の借主がそのお金を返済をしてくれない時、代わりにお金を回収できるように貸主が確保しておくものです。
住宅ローンの場合、その担保となるのが「家」と「土地」です。そして、家と土地を担保として確保するために「抵当権」を設定します。抵当権を設定することで、もし住宅ローンの返済が滞った場合に競売に掛けるなどしてお金を回収します。
つまり、住宅ローンをちゃんと返済し続けている限りはこの抵当権が行使されることはありません。しかし、住宅ローンを借りる以上、この抵当権設定は必須になります。
抵当権を設定するのは銀行ではなく保証会社
この抵当権ですが、実は住宅ローンを貸し出す銀行ではなく、保証会社が設定します。(※例外的に金融機関が直接設定する場合もあります。)
どういう流れかというと、銀行等の住宅ローンを貸し出す金融機関は、返済が滞った場合にこの保証会社にその損失を補填してもらうのが一般的です。
では、銀行に対して損失を補填する保証会社はどこからお金を回収するのでしょうか。この時、保証会社は抵当権を使います。具体的には物件を競売に掛けたりすることで資金を回収します。
もし住宅ローン返済が苦しくなってきたらどうする…?
では、急なリストラ等で定期収入が得られず、住宅ローンの返済ができなくなりそうな場合はどうすればよいでしょうか?
「一度くらい返済が遅れても…」と軽く考えてしまいがちですが、それは危険です。返済が一度でも滞った場合、優遇されて安くなっていた金利(例:1%)が基準金利(例:3%)まで戻され、支払額が増えてしまう可能性があります。
そのため、返済が滞りそうなときは、すぐに住宅ローンを借りている金融機関に相談をしましょう。返済が滞ってから相談するのと、その前に相談しておくのでは全く対応が異なります。
金融機関も金融円滑化法という法律に則って、住宅ローンの返済が厳しくなった人に対して条件変更等の努力をしなければならないとされています。そのため、返済が滞る前に相談しておけば、一定期間は返済額を減額してくれる等の対応をしてくれる可能性があります。
いかがでしたか?
最後にポイントをまとめておきます。
○抵当権は住宅ローン返済が滞った時のために設定される
○住宅ローンをキチンと返済している限り、抵当権が行使されることはない
○もし住宅ローン返済が滞りそうな場合は、その前に必ず借入先の金融機関に相談する
ちなみに、住宅ローンを完済したら抵当権設定を抹消することができます(抵当権抹消登記)。しかし、抵当権設定は放っておいたら消えるものではありません。自分で手続きしなければならないので、住宅ローン完済に浮かれすぎずにキチンと覚えておきましょう。