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注文住宅の「別途工事費(付帯工事費)」とは?中身を知らないと思わぬ予算オーバーの原因に…

注文住宅の「別途工事費(付帯工事費)」とは?中身を知らないと思わぬ予算オーバーの原因に…

注文住宅を建てるときには、大きく分けて3つの費用が掛かります。その3つとは、「本体工事費」、「別途工事費(付帯工事費)」、「諸費用」です。

家を建てるなら、この3つの費用がどのくらい掛かるのかを事前に把握しておくことで、「知らない間にどんどん予算が膨れ上がっていった…」という事態を避けられます。

そして、この3つの費用の中で特に予算オーバーの原因となりやすいのが、「別途工事費(付帯工事費)」です。

別途工事費には「何が含まれるのか」、「どういった場面で費用が多く掛かりやすいのか」を知っておくことで、思わぬ予算オーバーを避けることができます。

別途工事費の具体的な項目は?

設計 規格

まず、家を建てるときのトータル予算を100%とすると、別途工事費はそのトータル予算の15~20%程度を占めます。(本体工事費70~75%、別途工事費15~20%、諸費用5~10%)

注文住宅のトータル費用それでは別途工事費に含まれる一般的な項目を見ていきましょう。

①屋外給排水工事

②上下水道引き込み工事

③外構工事

④地盤補強工事

⑤ガス工事

⑥電気設備工事

⑦カーテン工事

⑧エアコン工事

⑨照明器具工事

⑩解体工事

⑪太陽光設置工事

細かく分けると他に何十項目もありますが、主な別途工事の項目はこんなところです。

また、「別途工事費」を「付帯工事費」表記する場合もあります。これと同じように、工事の項目の表記の仕方も住宅会社によって異なるため注意してください。もし「何のための工事なのか」分からなければ、遠慮なく質問しましょう。

「別途工事費」が予算オーバーの原因になる理由は?

【資金計画で成功する人と失敗する人の違い】住宅ローンの借入額を決めるときのコツとは?

○理由①「見積書」に「別途工事費」が含まれていない!?

まず、住宅会社に見積もりを依頼すると、ほとんどの場合「本体工事費」と「別途工事費」で区分された見積書がでてきます。

しかし、住宅会社によっては見積書に「別途工事費」が含まれていない場合があります。なぜかというと、見積り書には決まった形式(フォーマット)がないからです。そのため、見積りの出し方は住宅会社の自由。

例えば「本体工事費」のみの見積書で安く見せておいて、その金額に魅かれて契約すると、その後に「別途工事費」を見積るという不親切な住宅会社もあるのが現状です。

そのため、見積書をもらったときは必ず「別途工事費が含まれているのかいないのか」を確認しましょう。もし含まれていないのであれば、別途工事費も含んだ見積りを依頼し、その金額(本体工事費+別途工事費)で判断すると良いと思います。

○理由②見積書の精度が低い!?

見積書に「別途工事費」が含まれているかを確認したからといって、それだけで安心してはいけません。次は、見積書に書いてある数字の正確性を見なければなりません。

どういうことかというと、例えば土地が決まっていない段階で、「建物だけならどのくらい掛かるか?」を知りたくて見積りを依頼したとします。見積の中には本体工事費だけでなく別途工事費も含まれている。だったら安心かというと、そうは言い切れません。

なぜかというと、土地が決まっていない段階では、別途工事費を正確に出すことはできないからです。

土地が決まっていない段階で出てくる見積書は、あくまで計画値。つまり、実際に土地を調査して、「これぐらいの費用が掛かりますよ」と算出した数字ではないんです。

ではその見積書にはどんな数字が入っているかというと、アテで「大体これぐらい」という数字が入っています。そのため、実際には土地が決まってから正確な数字が出てくると思っておいたほうが間違いはありません。

つまり「最初に出してもらった見積書」と、「打合せを何度も重ねてプランも土地も大体決まって出したもらった見積書」では、精度が全くもって違います。

そのため、最初に出てきた見積書で、「なんだこんなもんか」とタカをくくってしまうのは危険です。最初に出てきた見積書はあくまで計画。そこから修正が加えられていくという認識を持っておきましょう。

 別途工事費が多く掛かりやすいのはどんな場合?

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次に、特に別途工事費が多く掛かりやすい場合を見ていきましょう。

○ケース①家を建てにくい土地を選んでしまう

一般的に旗竿地不整形地傾斜地などに家を建てようとすると、別途工事費が多く掛かります。

例えば旗竿地なら、ガスや水道、下水の引きこみ工事の費用が高くなってしまいます。もちろんそういった土地の場合、「土地自体の価格」が安くなっていることもあるので、それで追加で掛かった費用は相殺できることも。

ケース②土地の地盤が弱い

次に、土地の地盤が弱い場合、地盤改良の費用が追加で掛かります。どのくらいの費用が必要なのかは土地の条件や建てる家の大きさによって異なるため一概には言えませんが、大体80~150万程度のようです。

ケース③土地が広すぎる

土地が広すぎると、外構費用が多く掛かってきます。福岡や熊本で一般的に土地の広さは1区画あたり50~60坪程度だと思います。しかし田舎のほうにいくと1区画当たり80坪ということも。そうなると、もちろん家を囲うフェンス、駐車場や庭などを造る外構費用が高く掛かります。

ここまで読んでもらうと分かると思いますが、別途工事費が高くなる原因は土地絡みが多くなります。つまり、余計な費用を抑えたいのであれば土地選びが重要だということです。

いかがでしたか?

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注文住宅を建てる時に掛かる「別途工事費」の概要はお分かりいただけたでしょうか?

最後にポイントをまとめておきます。

○住宅会社の見積書に「別途工事費」が含まれているか必ず確認する

○見積書の数字の精度も確認する。初期の見積書はあくまで計画段階と認識しておく

○「別途工事費」が高くなる原因は土地絡みが多い。つまり、土地選びが重要。

注文住宅を建てる時は、非常に多くの費用項目が出てきます。大切なことは、「分かった気にならず、分からなければ質問すること」だと思います。

後々「こんなの聞いてなかった」とならないよう、住宅会社との打合せはしっかりメモおいたほうがいいと思いますよ。ゼッタイやってはいけないバナー - コピー

丸本 文平

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級
2012年に人材業界から住宅会社に転職。住宅会社では主に販促企画や「知って得するお金の勉強会セミナー」の講師等を担当。家族は妻とちーちゃん(娘/1歳3ヶ月※2016年現在)の3人家族。家では主に食器洗いと娘の歯磨きを担当。仕事にかまけず日々の子育てもしっかりやってるおかげで、ママとの「ちーちゃんこっちおいで」の勝率は7割を超える(もちろんそれ以外はママには勝てない)。