皆さんは「相見積もり」という言葉を聞いたことがありますか?
相見積もりとは、複数の会社に見積書を作成してもらい、それを並べて比較検討するという方法です
住宅会社選びの際も、この方法によって絞り込みをかけていく人がいます。
相見積もりをすることによって、なんとなく期待できそうなメリットは、
・競争相手の存在をチラつかせることによって安くしてもらえるかもしれない
・見積書の金額や仕様などが妥当なのかを判断できそう
・見積書の項目に抜けが無いかどうか確認できそう
といったところではないでしょうか。
しかし、実際は相見積もりを依頼する事には様々な注意点があります。
今回はそのなかでも4つの注意点について紹介します。
①とにかく時間がかかる!
相見積もりを依頼するためには、まずは複数の住宅会社の中から2~3社まで絞り込み、それぞれの担当営業マンと家の要望について打ち合わせを行い、そして見積書が完成したらその内容をじっくり説明してもらって…といった流れになります。
時間が有り余っている人ならいいかもしれませんが、一生に一度の家づくりですので、ご夫婦揃う休みを作って住宅会社に行き、入念に打ち合わせをしたいですよね。
相見積もりをしてもらいたいと思うばっかりに、実際に家づくりを始めるまでの期間が延びていき、ローンの完済年齢が上がったり子供と一緒にマイホームで過ごす時間が短くなったりすることにもなりかねません。
相見積もりにはそれなりの時間と体力がいるということを頭に置いておいて下さい。
②フラットな目線で比較できない
「どんな家を建てたい」
「予算はこれくらいにしたい」
「これだけは叶えたい」…
自分達にとっては、複数の住宅会社に対して同じ条件を伝えたつもりになっていても、恐らくほとんど内容がバラバラの見積書が手渡されることになります。
なぜなら、その住宅会社によって提案力だけでなく家づくりにおける工法や仕様設備、構造躯体や金額計算方法などが異なるからです。
「Amazonと楽天、どっちが安く売ってるかな~」といった感じで同じ商品を比較するのとは全く違いますので、もし比較するのであれば、自分達で見積書や仕様設備などの細かい項目までチェックしながら点数を付けていって、トータルで評価するといった方法をとる必要があります。
そうすると、どの工法で建てる家にもちゃんとメリットがあり、設備も一長一短なのでフラットな視線で比較できなくなり、それどころか逆に考えがぶれて悩んでしまったりします。
③あえて奇抜なプランを持って来られる時がある
住宅会社に相見積もりを依頼すると、見積書だけでなく家の間取り図や外観パースも作ることとなります。
そしてお客さんが複数の会社を比べる時に、「とりあえずお客さんの目にとまりたい!」という理由で奇抜なプランを提案されることがあります。
もし一時的に「このプラン面白い!」と思ったとしても、本当にそこに長く住み続けることを想像しながら冷静な判断をしなければ、住み始めてから後悔する家になってしまう危険性があります。
住宅会社から、比較対策の“その場しのぎのテクニック”のようなプランを提案されるより、一社だけに絞ってそこから真面目な提案をしてもらう方がいいかもしれませんね。
④断った後が大変になるかも
複数の住宅会社に相見積もりを依頼した結果、最終的に一社の住宅会社に絞り込んで「ここに頼みたい!」と思ったとします。
そうしたらまずは相見積もりを依頼した他の会社に1件1件断りの連絡を入れなくてはなりません。それが億劫だと感じる方は、そもそも相見積もりは取らないべきです。
そして、電話の時点では「あぁ…そうですか…」という話になったとしても、後日営業マンから連絡や訪問をされ、
「上に相談したら○○万円値引きできることになりました!」
「もう一度考え直してください!」
という、値引きを使った営業を受けることになる危険は十分にあります。
…もしその時、あなたがこのブログを読んでいる今のように冷静な状態であれば、
「どうせ最初からその金額をプラスしてたんでしょ?」
「だったら最初からそのギリギリの値段で提案してきてよ!」
というように考えるかもしれません。
しかし、当事者となった時はそのように考えるのが難しい状況になります。
なんといっても一生に一度の家づくり。住宅会社を絞ったといってもまだ不安が少しでも残っているような状態であったら、気持ちは揺らぎやすくなってしまうからです。
対策としては、相見積もりを取る会社すべてに「提示は一度だけにして下さい。その金額と内容だけで判断しますので!」と強気で言う方法もあります。
どれほどの効果があるかは住宅会社によりけりですのでベストとは言えませんが、どうしても相見積もりをお願いしたいという方は試してみても良いのではないでしょうか。
いかがでしたか?
相見積もりを依頼する時にはこのように様々なリスクを同時に抱えるということを知っておいてください。
家づくりサポーター 長田圭史