こんにちは。丸本です。
人生の三大支出といえば、「住居費」、「教育費」、「老後の生活費」。と、よくこんな風に言われますが、老後の生活費は毎月いくらぐらい必要かご存知でしょうか?
もちろん地域にもよりますが、おおよそ月に22~24万円程度と言われています(※2014年度の総務省の調査によると、65歳以上の夫婦のみ、就業無し世帯の月間平均支出は24万円)。
「そうか、じゃあ年金と貯蓄で毎月24万円使っても大丈夫なようにしとけばいいのか!」と思われがちですが、実はそれだけでは不十分なんです。
老後の住居費は月1.7万円!?
下記のグラフは「65歳以上、夫婦のみ、就業無し世帯」がひと月で何にお金を使っているのか調査したものです。
グラフを見てもらうと分かるとおり、住居費は1.7万円しか掛かっていないんです。これはなぜかというと、65歳以上(2014年時)の持ち家比率が80%を越えているからなんです。
つまり、家を建てて現役世代のうちにほとんど住宅ローンを返し終わっているんです。そのため、住居費はメンテナンスや固定資産税ぐらいしか掛からないということなんです。
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ということは、もしこの時点で賃貸に住んでいた場合、毎月7~8万円の家賃、つまり持ち家の3~4倍の住居費が掛かってしまいます。となると、生活費のほかの項目を削って家賃を捻出することになります。
そうならないためには、現役世代の間に、持ち家派よりも多くの貯蓄をしておく必要が出てきます。具体的に言うと、家賃20~25年分(毎月8万円なら、1920~2400万円)はあったほうが安心でしょう。
人口は減っても賃貸の家賃は下がらない?
こういった話をすると、
「人口減るし、20~30年後は賃貸の家賃も下がるんじゃないの?」
なんて思われがちですが、それは半分正解で半分間違いです。
確かに、今から20~30年後の2040~50年には人口が今よりも減って賃貸住宅の空きが増えるかもしれません。
となると、大家さんが入居率を上げるために家賃を下げるということも考えられます。しかし、実際に家賃が下がる物件は築30年以上の物件と予想されています。
なぜかというと、大家さんも同じようにローンを組んで賃貸住宅を建てているからなんです。そのため、大家さんもローンの返済が終わるまではそう簡単に家賃を下げられないんです。
つまり、築30年以上の賃貸物件の家賃は下がっても、築10年以内の築浅の物件は下がらないと予想されています。
○築30年以上の賃貸物件 → 家賃が下がりやすい
○築10年以内の賃貸物件 → 家賃が下がりにくい
賃貸のメリットの一つは、住み替えを繰り返して築浅の物件に住めること。しかし、生活費に余裕がなく築30年以上の物件に住んでいたら、賃貸に住むメリットがなくなってしまいます。実は、ずっと築浅の賃貸物件に住み続けられるのは、できるのはお金に余裕のある現役世代の間だけなんです。
老後の年金生活が始まって、安い物件に住もうとすると、築30年以上の賃貸に住むことになる可能性が高くなります。だったら、同じく築30年くらいで賃貸よりも広い自分の持ち家に住んだほうが快適だと思いませんか?
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いかがでしたか?
最後に今日の内容をまとめておきます。
○年金生活をしている人の生活費は月24万円。その中で住居費は月1.7万円しか掛けてない。
○その理由は持ち家だから。持ち家なら「老後に掛かる住居費」を抑えることができる。
○老後も賃貸に住むのなら、20~25年分の家賃の貯蓄が必要。
○人口減によって家賃が下がるのは築30年以上の物件。築浅の物件は安くならない。
家を建てると、自分の資産のために毎月住宅ローンを払うことになります。しかし賃貸の場合は大家さんの資産のために毎月家賃を払うことに。
もちろんいろんな考え方があっていいと思いますが、より現実的な目線で考えることが大切だと思いませんか?