こんにちは。丸本です。
「家を建てる(買う)ならまず家計の見直しを」と雑誌やネットなんかでよく言われていますよね。
その中でも特に多いのが、「無駄な生命保険は解約!」という話。
でも、そもそも“無駄な生命保険”ってどれだか分からないと思いませんか?
「家を建てたら一体どんな保険が「無駄」になるのか分からない…。」
「本当に解約して大丈夫なの?万が一のときのためにあったほうがいいんじゃないかな…。」
こんなふうに不安に思われている方のために、“家を建てた時に無駄になる保険”の考え方をご紹介します。
家を建てると無駄になる生命保険とは?
結論から言うと、家を建てて無駄になる保険は“住宅ローンを借りたら自動的に付いてくる保障”と保障の内容が被る保険です。
もっと具体的に言うと、多くの場合は生命保険と医療保険が該当します。
まず家を建てる時は住宅ローンを借ります。そして住宅ローンを借りると、団体信用生命保険にほとんど強制的に加入することになります。
この団体信用生命保険に入ると、主債務者(通常ご主人)が亡くなった場合や高度障害で働けなくなったときに、その時点での住宅ローンの残額を払わなくてよくなります。
つまり家を建てた(買った)時点で保障額が2000~4000万円くらいの生命保険に入ることになるんです。
もし、保障額が同じくらいの生命保険に加入してるのであれば、そのリスクはこの団体信用生命保険でカバーできるということになります。
ということは今入っている生命保険は解約する、もしくは保障額を減らして月々の保険金の支払いを安くしても大丈夫だということになります。
住宅ローンに付いてくるのは団信だけではない?
住宅ローンを借りると通常付いてくるのが団体信用生命保険。しかし、住宅ローン商品によっては、「疾病保障」が付いてくることも。
疾病保障なので、亡くなった時ではなくガンや心筋梗塞、脳卒中、高血圧症等の疾病になった際に住宅ローンの支払いを免除してくれます。
疾病保障を付けると住宅ローン金利が0.1~0.3%ほど上乗せされます。月々の支払額の増加分は3000~5000円程度です(※借入条件によって異なります)。
もし医療保険に入っているのであれば、この疾病保障の内容と被る保険は解約しても問題ないでしょう。もしくは毎月の医療保険の支払額と比較して、安いほうを残してもいいと思います。
日本の医療保険制度には「高額療養費制度」という便利な制度があります。簡単に説明すると、例えば健康保険を使った医療で月100万円掛かったとしても、実際の支払いは約9万円に収まるという制度です。
よくCMで見る医療保険が「全部無駄」とまでは言いませんが、高額療養費制度を利用してもカバーできないリスク(先進医療を受けたい、個室に入院したい等)に備えたい時に入るのが民間の医療保険だと思ってください。
※金融機関によって「疾病保障」の保障内容は異なるので、しっかり確認しましょう。
いかがでしたか?
“家を建てる時に無駄になる保険”の考え方はご理解頂けたでしょうか。
○住宅ローンを借りると団体信用生命保険が付いてくる → 生命保険と保障内容が被る
○疾病保障付き住宅ローンを借りると、医療保険と内容が被る
○住宅ローンと保障内容が被る保険は、解約もしくは保障額を減らして毎月の保険料を減らす
本来、保険の目的は万が一のリスクをカバーすることです。「自分に万が一のことが合った場合、誰が困るか?」ということを考えると、必要な保険が見えてきます。
もっと具体的にいうと、生活基盤の弱い(=貯蓄が少ない)若い子育て夫婦が、必要な期間、必要な保障額だけ入るのが保険です。例えば、もし数千万円の貯蓄があるのであれば、保険に入る必要はありません。
家を建てるまでは生命保険で万が一のリスクをカバーして、家を建てたら団信でリスクをカバーするといいと思います。
もちろん住宅ローンを借りた時は、「これで団信入るから生命保険は全部解約!」としてしまっては極端なこと避けましょう。
住宅ローンを借りる時は「団信と保障内容が被るのはどの保険?」という目線で、必要なくなる保険はどれかを考えてみてくださいね。