こんにちは。丸本です。
「家づくりで失敗しないためには、資金計画が大事!」なんて言われますが、「じゃあどういう資金計画だったらいいの?」って思いませんか?
結論から言うと、“返済可能額で住宅ローンを借りる”ことが失敗しないための秘訣です。
言い換えると、借りられる額ではなく、無理なく返せる額を借りましょうということです。
これを聞くと「そりゃそうでしょ。」と思ってしまうと思いますが、基本的に住宅会社や銀行で住宅ローンの相談をした場合、一般的には「借りられる額」で話を進められます。
これって考えてみたら当たり前で、住宅会社はたくさん借りてもらったほうがその分だけ住宅の売上は高くなります。また銀行は貸した額が大きい分だけ利息で儲かるんです。
ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、どっちが良い悪いという話ではなく、いくら借りるかはあくまで借りる人の自己責任だということです。
住宅ローンには“借入可能額”と“返済可能額”の2種類がある
まず借入可能額とは、どの程度まで住宅ローンを借り入れできるかという上限額のことです。 多くの場合は税込み年収、返済期間、金利、家づくりをする時の総予算等から銀行などが計算します。
一言で言うと「現在の年収から最高いくら位まで借りられるか」ということを意味します。
「今の年収が400万なら3500万円くらいまで借りれます」といった感じです。(※計算は適当です。)
次に返済可能額とは、月々問題なく返すことができる金額のことを指します。賃貸の家賃の考え方と似ていて、理想は月の総収入の30%以下と言われています。
もちろん月の総収入の30%というのはあくまで目安です。それぞれの家庭によって何にお金を掛けるかは異なりますよね?毎年旅行に行く家族もいれば、全然行かないという家族もいると思います。教育費だって公立、私立に行かせる場合で、月々に掛かる費用は異なります。
そういった費用を加味していくと、「40%でも問題ない」という場合もあれば、「他にもいろいろお金が掛かるので、25%」という場合もあります。なので、「必ず月収の30%以下」と言うわけではありません。
なぜ返済可能額で借りるべきなのか?
なぜ返済可能額で借りるべきなんでしょうか。それはあなたの人生で何を重視するかによって、住宅の購入費に充てるべき費用が変わるからです。
例えば借入可能額を計算してもらったところ、最大4000万円借りることができるとします。 であれば、単純に4000万円すべてを住宅購入に充てるべきでしょうか。
もしお子さんに月々1万円くらいかかる習い事をさせたいとか、学資保険のために毎月1万円ずつ積立ておきたいとか、そんな希望があるのであれば、それにかかる費用は差し引いておくべきだと思いませんか?
ここでいう4000万円というのは、「本気出したら4000万円借りられる」ということです。でも、そこで本気を出してしまった分、他が削られます。
家事で例えるなら、毎日晩ゴハンだけは本気を出して3時間くらい掛けて作ってたら、他の家事が疎かになりますよね?実際には他の家事に掛ける時間とのバランスを取るはずです。“借入可能額”で借りるということはこれと同じです。
クルマを買うときだって、審査してもらったら1000万のローンが組めるからといって、すべての人がベンツを買うわけではありませんよね?
“いくらまで借りれるか”ではなく“いくらまでなら無理なく返せるか”
例えば“年収”も“家族構成”も同じAさん一家とBさん一家の2組の家族がいたとしても、それぞれが何にお金を掛けるかは異なります。だから“年収”という視点で計算する借入可能額はアテにならないということです。(最大いくら借りられるかという金額が知りたい場合には有効ですが。)
それよりも、今月々支払っている家賃にいくらまでのプラスなら問題ないか、という視点で考えたほうが、無理のない資金計画を作ることができます。
実際に借入可能額と返済可能額を両方計算してみたら、借入可能額だと月々12万円、返済可能額だと月々10万円といったように、月々で2~3万円も差が出ることも。月々2~3万ってけっこう大きいですよね?
「家を建てたはいいけど、行きたい旅行にもいけないし、子供がやりたがってる習い事させられない・・・」、こんな風にならないように、資金計画はしっかりやっておくことをおすすめします。
昔の心理学者に「楽しいから笑うんじゃない。笑うから楽しいんだ」と言った人がいるとのこと。住宅の資金計画もこれと同じ。「計画があるから成功するのであって、計画がなければ失敗にも気づかない」ということですね。