こんにちは。丸本です。
家づくりをするときは、「全体予算の2割程度の頭金があること」が理想と言われています。しかし、あくまで“理想”。鵜呑みにするのは危険です。その理由を解説します。
そもそも頭金を準備するメリットとは?
家を建てるときに頭金を準備すると、主に二つのメリットがあります。
①「住宅ローンの借入額を減らせること」
②「住宅ローンの金利の支払い分を減らせること」
この二つです。具体例を見ていきましょう。
例えば、3000万円を金利1.5%で借りた場合、総支払額は3857万円になります。それに対して頭金を300万円入れて、2700万円を金利1.5%で借りた場合、総支払額は3472万円に。
頭金を入れた場合、385万円も支払いを減らすことができます。借入れの元金が減る分、支払った頭金の金額以上の差が出ています。300万円払って385万円得した計算になります。
※35年返済、元利均等、全期間固定金利で計算しています。
これから頭金を貯めるという方は注意!
「よし、頭金を300万くらい貯めてから家を建てよう!」と思われたなら、ちょっと待ってください。その頭金を貯める経費を計算に入れていますか?
もう少し分かりやすく言うと、その頭金を貯めるのにどのくらい時間が掛かりそうですか?
たとえば毎月5万円ずつためたとしても、300万円貯めるには5年掛かります。しかし、この間にも家賃を払い続けなければなりません。家賃8万円とするなら5年間の合計は480万円になります。
先ほどの例でいうと、頭金300万円を入れれば総支払額は385万円減りますが、その間に480万円のお金が失われることに・・・。なので、実際には100万円近くの損となります。
頭金で損する人と得する人の違いとは?
すでに家づくりのために使える資金がある場合は、頭金として活用すると総支払額を減るせるのでメリットがあります。しかしこれから貯め始めるという方は、家賃を払いながらだとトータルで見て損をする場合も。貯金をするために、家賃という「経費」が掛かるからです。
つまり、頭金で損する人は、“これから頭金を貯め始める人(=貯金に経費が掛かる)”。頭金で得する人は、“今すぐ頭金を出せる人(=貯金に経費が掛からない)”になります。頭金で損する人と得する人の違いはここです。
同じ300万円の頭金を入れるとしても、今すぐ出せる場合と、5年後に出す場合を比較すると、後者の場合はその5年間に掛かる経費(家賃や光熱費等)分だけ損をするということです。
そのため5年かけて頭金を貯めるよりも、今すぐ住宅ローンを借りたほうがトクかもしれません。というか、今の低金利を考えればほぼトクになります。
具体例を見ていきましょう。
“3000万円”を金利1.5%で借りた場合の総支払額は“3857万円”。
それに対して、頭金300万円を入れて“2700万円”を同じ条件で借りた場合の総支払額は“3472万円”に。
一見得したように見えますが、頭金を貯めるのに5年分の家賃が掛かっているので、その“480万円”を足すと、合計で“3952万円”に。
ということは、頭金を貯めずに今すぐ建てたほうが得をするということです。
これから数年かけて頭金を貯めたほうが得する場合があるとすれば、今より金利が下がった場合だけ。しかしすでに「金利は底」と言われている中、その可能性は限りなく低いです。
住宅ローン金利の参考記事はコチラから↓↓
https://iesta.info/blog/money/2835/
※35年返済、元利均等、全期間固定金利で計算しています。
いかがでしたか?
本日はお金の話だけで説明しましたが、実際にはこれに加えて5年間“一戸建てに比べて狭い賃貸住宅”で暮らさなければならないというデメリットも加わります。
今の住まいに何かしら不満があるから「家を建てよう」と思い立ったはずです。それなのに、5年間もその不満を我慢するのはストレス溜まりませんか?(まぁストレスと一緒に頭金も貯まりますが。)
だから「どうしても数年先でないと家が建てられない」といった事情が無ければ、家は早めに建てたほうがお金の面から見ても、精神面から見ても得だということになります。
頭金が0でも借りられる住宅ローン商品もあるので、それを活用してみてくださいね。