家づくりサポーターの長田です。
最近の一戸建て住宅では主流となってきた「複層ガラス(別名:ペアガラス)」。
文字通り2枚のガラスが1組になっている窓のことで、ガラス1枚の窓と比べるとガラスの枚数やその間の空気層があることによって断熱性能が高くなります。
そしてその複層ガラスに金属塗膜が貼ってある「Low-Eガラス」は、太陽の赤外線を反射させて室内への侵入を防ぐことができる、より高い断熱性能の商品です。
展示場や見学会へ行くと「うちの標準仕様はLow-Eガラスなので、通常の窓よりも断熱性能に優れていますよ~」という説明を受けることもあるかもしれませんが、実はそのLow-Eガラスには、さらに細かいタイプに分かれています。
そして、それぞれを用途に応じて使い分けながら家づくりに取り入れることで、室内環境がより快適になり、省エネにもつながります。
そこで今回は、Low-Eガラスの2つの種類とその特長についてご紹介します。
遮熱タイプ
遮熱タイプは、上の図のように2枚のガラスのうち“屋外側”のガラスの空気層側に金属塗膜が貼ってあります。
赤外線を一番外側のガラスで遮熱する効果と、空気層による断熱効果により、室内への太陽の熱の進入を防ぐことができます。
夏場の気温が高くなる関東以南の地域や、太陽の日差しが強い西側の窓や、吹き抜けがあって冷房が効きにくくなる部屋には、太陽の熱を侵入させないように、この遮熱タイプのガラスがオススメです。
断熱タイプ
断熱タイプは、上の図のように2枚のガラスのうち“室内側”のガラスの空気層側に金属塗膜が貼ってあります。
太陽の熱を取り込み、室内の熱は屋外に逃がしにくいという効果があるので、冬場の暖房効率が上がります。
北海道や東北など冬の寒さが厳しい地域では、太陽の光を少しでも利用するために断熱タイプのLow-Eガラスがオススメです。
その場合、夏場の日射しはすだれやグリーンカーテンで対策をすると良いでしょう。
いかがでしょうか
今回紹介したLow-Eガラスの2つのタイプの使い分け方をカンタンに説明すると、
☑暑くなりがちな場所や土地→太陽の熱の影響を受けないように遮熱タイプのガラス
☑寒くなりがちな場所や土地→太陽の熱を利用するために断熱タイプのガラス
ということになります。
窓は、室内外の影響を一番受けやすい場所となっており、夏場は約74%、冬場は約52%の熱が窓を通って室内外を行き来しています。
そのため窓の断熱性や遮熱性を高めることは、家の中での暮らしやすさを上げるための近道なんです。
住宅展示場や見学会に行った時に「Low-Eガラス」と言う言葉を聞いたら、どちらのタイプのLow-Eガラスを標準として採用しているのか、またどちらも使うことができるのかは、一度確認しておくといいでしょう。
家づくりサポーター 長田